社会人大学
大学全入時代到来!社会人への影響は?
2007年、いよいよ大学全入時代(大学入学希望者と大学定員が同数)、大学過剰時代が到来した。当初の試算では大学全入時代は2009年頃と言われていたが、18歳人口の減少や資格取得を目的とした専門学校人気、大学や学部の新設が続いていることなどにより、2年も早まってしまったのだ。
文部科学省の発表によれば、2007年に新たに設置される大学が短大も含め13校、新たに学部を設置する大学が24校となっておりここ数年、同等のペースで増え続けている。
数字上は志願者全員が日本国内のどこかの大学に入れる計算となるが、実際には伝統ある有名大学への人気が集中し、それ以外の大学が経営難に追い込まれるという状況が既に始まっている。日本私立学校振興・共済事業団によれば、2006年度、私立大学の4割が定員割れ、特に地方の比較的新しい大学が危機的状況だという。
18歳人口が先細る中、多くの大学が社会人、また定年前後の団塊世代にターゲットを広げている。日本私立学校振興・共済事業団がまとめた「私立学校の経営革新と経営困難・破綻への対応」において、同事業団は破綻を回避する方策として、財務状況の改善とともに、社会人等の生涯教育を視野に入れた幅広い教育内容の提供と質の確保を挙げている。
ただ、大学が社会人をターゲットにしたところで、全て生き残れるわけではない。社会人・大学院・転編入の入試専門校、青山IGC学院学院長の工藤美知尋(くどう・みちひろ)氏は「社会人の場合、勤務地や居住地などから進学先が都心に特定されるため、(進学先を選ばなければどこにでも入れるという全入時代の)影響はそれほど受けないだろう」と話している。さらに大学・大学院に進学する社会人の多くは、元々有名校・伝統校を選ぶ傾向があるため、いわゆる地方などの無名大学・新設大学への進学は少なく、社会人が経営難大学の救世主になるのは難しいようだ。
しかし、全入時代の到来により、今まで以上に社会人学生の進学先が有名校に集中する可能性は否めない。誰だってつぶれそうな大学には進学したくないし、大学側が定員割れの事実を表立って公表しないため、実際に経営難の大学かどうかを見極めるのは難しい。有名校であっても立地条件によっては入学志願者数が激減している大学もある。これから少子化が加速し大学の再編や統廃合が進むことは明らかな中、全入時代・大学過剰時代を生き残っていく大学を自己責任で選択する確かな目が私たちに求められている。また、これからの大学のあるべき姿として、大学側は、大学経営に不利な情報であっても定員充足率や大学の財務状況などを積極的に公表していくべきだし、また文部科学省などの監視・指導も必要だろう。
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